不妊症の判断は、結婚から1年

不妊症、ということに悩まされる方は、それほど多くないかもしれません。

しかし、例えば「結婚して3年たつけど子供が全くできない」「5年たつけど子供ができない」などという方は多いかと思います。
実は、それはほぼ間違いなく「不妊症」と言えます。

なぜなら、避妊をせずに通常の夫婦生活を送っていると仮定したら、なんと結婚から半年で7割の夫婦で子供ができ、1年経過ではなんと9割もの夫婦で子供ができます。

成人し、結婚できる年齢の方であれば、「避妊しなくなったらすぐにできた」というのが自然なのです。
どうして子供を作らないの?と無神経に聞かれることがあるかもしれませんが、特に何らかの理由がないのであれば、ほとんどの夫婦で子供ができるのです。

しかし、こうした不妊症だと、途方に暮れると思います。
特にするべきこともなく、どういうことをすれば子供ができるのか、ほとんどわからないはずです。

実際、不妊症というものは病気ではなく症候群に該当します。つまり理由がわからずに症状が生まれるものなのです。
もちろん、乏精子症などといった旦那さんのほうに原因があるということもありますが、基本的には、病気かどうかは不明なのです。

不妊症は病気ではない

一般的に、病気というものは、痛みや腫れなどが、体の内部も含めてどこかで見られるものです。
それに従って検査をすることで、原因がわかり治療ができます。

しかし不妊症というものは、症状は何もありません。
あるとすれば、何回性交渉をしても子供ができない、受精しないということだけです。
もし子宮やおなかに痛みや不快感があれば、それは不妊症ではない別の病気になります。

検査でわかることもありますが、そのケースは非常に少なく、原因の特定は困難を極めます。
精子も卵子も異常がないのに受精できないとか、細胞分裂を起こさないなども珍しくありません。
旦那さんには精子の量が少なく子宮まで届くのが難しいという問題などがありますが、奥さんでも、きちんと排卵できているとしても、卵子が入っている袋(卵胞)の中の卵子が変性しているという問題などもあります。

それらの問題を除けば不妊症というものは、妊娠に至って胎児が子宮内で育ち始めるまでのどこかの段階で、何らかの障害があると想定して、治療をします。
つまりきちんと受精、着床をできるようにするサポートをするという治療です。

当然、現状の医学では、全部解明されているわけではありませんが、不妊症は全く治療不可能というわけではありません。

ステップアップ治療という選択

ここから、現在一般的な不妊症治療の流れについて詳しくまとめていきます。

まず最初にやるのが基本検査です。
基本検査で異常が見つからなければ、排卵と性交渉(射精)のタイミングを正確に合わせて、妊娠の確率を上げるというタイミング療法をします。
排卵のタイミングに合わせて性交渉をしていきますが、そこで半年ほど経っても効果がない場合は、次は卵巣を刺激してより多くの卵胞を成熟させるという、排卵誘発をしていきます。

このように時間をかけて、一つ一つ問題を見つけて解決していく治療方法を、ステップアップ治療と言います。
ほかにも様々な面からアプローチした治療をしていきますが、もしそれでも結果が出なければ、最終的に残る選択が人工授精、体外受精、顕微授精です。

人工授精とは、精子を子宮の中へ入れて、通常の性交渉と近い形で妊娠させるというもので、体外受精は卵子をとってさらにその上に取り出した精子をかけるというものです。
もし、体外受精でうまくいかなければ、受精障害と診断できたり、卵子の調子、様子も確認できます。
また、顕微授精という卵子の中に精子を直接入れるという方法であれば受精障害もクリアでき、妊娠できます。

着床、妊娠が認められれば、初めてその段階で、何らかの障害をクリアできたということですが、現在では精子と卵子が正常で、それらのような障害が理由であれば、子供を作ることは十分可能ということです。

ステップアップ治療は、ある治療をして結果が出るかどうかを逐一確かめていくもので、お分かりかと思いますが全く一筋縄ではいかない治療方法のことです。
つらいですが、ゴールがわからず、何をどうしても妊娠できないということも当然あります。
一般的には5から6周期ほどを目安に次の治療方法へとステップアップして、だいたい2年で結果がでるのがベストとされて意味明日。

一昔前までは、体外受精も人工授精も非常に珍しく、とても高度な技術が必要とされていました。
現在では技術が進み、ある程度コストも抑えられ、一昔前と比べると非常に考えやすい治療になりました。
新たな技術が生まれることで、妊娠への障害がクリアできるようになったと思ったら、それまでは考えもつかなかった原因が生まれて新たなことが妊娠への障害として立ちはだかるということもありました。